AI OCR: 効果的な開発サービス選びの秘訣
技術開発や製造の現場だけではなく、最近ではスマートフォンの機能や自動運転技術などにも活用されていることで知名度が高まっていくAI(人工知能)は、あらゆる分野での活躍が期待されています。本記事では、AI OCR(文字 認識 AI)とは何か、AI OCRとOCRの違い、メリットという基礎知識から、OCR最新技術の選定・導入時に注意すべき3つのポイントとその解決策と具体的な活用事例について解説します。
1. AI OCRとは?
AI OCRとは 、画像データに記載された文字をデータ化するOCRに、AIを搭載した技術のことです。AI OCRを活用すると、従来は読み取りが難しかった手書き文字の認識精度が向上します。手作業で行っていた帳票のデータ入力作業が効率化するため、業務の生産性が高まる点がメリットです。AI OCRは、製造業、金融機関、自治体等、さまざまな業界で導入されています。
さらにAI OCRは、従来のOCRでは難しかった手書きの文字列や、非定型フォーマット文書の文字の認識が可能といったメリットがあり、その適用可能な業務範囲の広さが、注目を浴びているのです。
2. AI OCRとOCRの類似点と違い
2.1. 識字率(文字の認識精度)が高い
従来のOCRは、あらかじめ決められたロジックの範囲内でしか、文字の識別を行えませんでした。しかしAI OCRはAIの特徴である深層学習(ディープラーニング)などの技術により、識字率(文字の認識精度)が向上していきます。具体的には乱筆文字,区切り線のないフリーフォーマットの手書き文字,罫(けい)線被り文字などの複雑な手書き文字の読み取りが可能になります。
2.2. 多様なフォーマットの帳票に対応できる
従来のOCRは、事前に読取位置や項目など、読み取り対象の書類の詳細を定義する作業が必要でした。しかしAI-OCRならAIが読取位置や項目を自動抽出してくれるため、事前の面倒な設定が不要になります。請求書や納品書、発注書など取引企業ごとに様式が異なる非定型帳票、契約書などの任意様式の文書の文字認識が可能です。
2.3. RPAとの連携でさらに業務効率が向上
従来のOCRでは、例えば紙の請求書の情報を会計システムなどに入力しようとした時、情報ごとの対応付けや部門、科目などの仕分けなど、人手による作業が残っていました。また、そもそも決まったフォーマットの帳票しか対応できない点も、大きな足かせとなっていました。
3. AI OCRの種類
3.1. 汎用×定型フォーマット型
読み取る帳票の種別は特に限定されていない「汎用」ですが、読み取る帳票のフォーマットは「定型」となるタイプです。そのため帳票のフォーマットを定義したうえで、文字 認識 AIなどの指定を行う必要があります。定型フォーマットを使うため、OCR最新技術やOCR Deep Learningを利用した文字等の抽出精度は高くなるものの、事前の設定準備に時間がかかってしまうデメリットがあります。
3.2. 汎用×非定型フォーマット型
読み取る帳票の種別は「汎用」となりますが、読み取る帳票のフォーマットは「非定型」となるタイプです。AIに帳票のフォーマットを学習させることで、人間が行うフォーマットの定義作業が不要です。一方、学習に必要なデータ収集や学習させるために時間がかかるデメリットがあります。また、AI-OCRとはなどの語句が学習に使用され、読み取った帳票の中に新規フォーマットが紛れていた場合には、事前に学習されていないことから読み取りができなかったり、読み取り精度が低くなるケースもあります。
4. 業務特化×非定型フォーマット型
読み取る帳票の種別は「特定種別」で、帳票のフォーマットは「非定型」となります。あらかじめ導入時にAIへのフォーマット学習が済んでいるので、ユーザーがAI-OCRと文字 認識 AIなどを学習させる手間がかからず、多岐にわたるフォーマットの帳票を読み取ることが可能です。そのため、処理する対象の帳票が請求書や納品書などに限定されていて、大量の作業が発生する企業の場合は多大な業務の効率化が期待できます。ただし、特定の帳票に限定されるというデメリットがあります。
5. 適切なAI OCRサービスを選ぶ方法
5.1. 読み取り精度が実運用に耐えられるか
AI-OCRで一番抑えるべき要素は許容できる程度に精度が高いかどうかです。誤字が多発するようでは、データ化後の修正時間に多く稼働をとられてしまい、直接入力したほうが早い、といった事態を招きかねません。導入前に、現場で使っている実書類で読み取りテストを行い、どの程度読み取れるかを確認すると、実運用で耐えられるかどうかを確認できるのでオススメです。
5.2. 設定やアップロードが簡単にできるか
精度が高くても、設定やアップロードの操作が複雑では、運用を回せるようになるまえに断念してしまう可能性があります。操作方法をデモIDやトライアル契約をして実際に操作が習得できるか確認しましょう。
5.3. セキュリティー
個人情報や機密情報を扱うAI OCRを安全に運用するためには、セキュリティーも重要です。具体的なセキュリティー対策や、ベンダーがセキュリティー対策の認証を得ているかを確認しましょう。
5.4. 連携機能
AI OCRを導入する前に、連携機能の有無を確認しましょう。AI OCRがAPI(Application Programming Interface)を提供していれば、プログラムの新規作成なく、RPAなど、他のサービスと簡単に連携できます。これにより、AI OCRの機能を柔軟に拡張し、業務効率化を一層促進できます。
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To Quang Duy(トー・クアン・ズイ)氏はベトナムの大手ソフトウェア開発会社であるNewwave SolutionsのCEOです。彼は卓越したテクノロジーコンサルタントとして認められています。LinkedInやTwitterで彼とつながりましょう。