カスタムCRM:理想的なシステムを構築するための完全ガイド

取引成約を加速させ、より多くのリードを生み出し、顧客データを効果的に整理したいのであれば、カスタムCRMは必要です。あらかじめパッケージ化されたCRMシステムは便利に見えるかもしれませんが、適応性に制限があったり、不必要な機能が付いていたり、価格が高かったりします。 

したがって、特定のニーズに合わせたシステムを求める企業には、CRMソフトウェアを作成する傾向があります。この記事では、ゼロからCRMシステムを構築する方法とCRMの基本的な機能についてご紹介します。 

カスタムCRMソリューションを構築する価値はあるのか? 

独自のCRMシステムを構築することで顧客情報を整理し、管理することができます。
独自のCRMシステムを構築することで顧客情報を整理し、管理することができます。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)は、企業が顧客との関係を把握するための特別なツールです。CRMは、顧客の名前、連絡先、企業とのやり取りなど、重要な顧客情報を保存します。 

前述したように、CRMの導入には2つの選択肢があります。パッケージ型CRMシステムとカスタムCRMシステムです。パッケージ化されたCRMは、誰でも購入してすぐに使い始めることができます。カスタムCRMは、各ビジネスの特定の要件に合わせてゼロから設計されます。

この2つのメリットとデメリットは以下となります。

  パッケージ型CRM カスタムCRM
セットアップの容易さ すぐに使用可能 使用前に開発が必要
柔軟性 カスタマイズ可能なオプションは限られている 特定のニーズに合わせてカスタマイズ可能
特徴 あらかじめパッケージ化された機能には、無関係なものが含まれている可能性がある オーダーメイドの機能、必要なものだけを盛り込む
学習曲線 一般的に学習しやすい 最初は学習曲線が急かもしれない
スケーラビリティ ユニークなビジネスの成長に合わせてうまく拡張できない可能性がある 進化する要件に合わせて拡張可能
統合 他のシステムとの統合オプションが限られている 既存のツールとシームレスに統合可能
コスト 一般的に初期費用は低いが、継続的な費用は累積する。関連性のない機能については、費用対効果が低い可能性がある 初期投資は高いが、長期的なコスト削減と効率化が見込める

上記の表のように、カスタムCRMシステムをゼロから構築することは、企業のビジネスニーズに合うため、最適な選択と言えます。初期費用は高くなりますが、カスタムCRMは不要な機能を省き、営業担当者が顧客情報に素早くアクセスできるようにします。 

さらに、カスタムCRMシステムはビジネスの成長に合わせて適応することができ、長期的には膨大な時間とコストを節約することができます。これは、ターンキーソリューションを使用する代わりに、独自のソフトウェアに投資する良い理由です。 

独自のカスタムCRMシステムを構築する方法:7つの簡単なステップ

独自のカスタムCRMを作成するために、まずはニーズを概説することです。
独自のカスタムCRMを作成するために、まずはニーズを概説することです。

他のソフトウェアと同様に、カスタムCRMシステムを作成する際にも、高品質な結果を保証するための開発ライフサイクルが必要です。これは開発者によって異なる可能性があるため、この記事では核となるプロセスのみを紹介します。 

カスタムCRMデータベースを構築する7つのステップを、2つのフェーズに分けてご紹介します。 

  • フェーズ1:準備 
  • カスタムCRM構築の目標を明確にする 
  • 必要なカスタムCRMのタイプを選ぶ
  • システムの機能を決定する
  • フェーズ2:開発
  • 開発アプローチを選ぶ 
  • システムを設計する
  • 徹底的なテスト
  • ユーザーの配備とトレーニング

詳しくは、以下となります。

フェーズ1:準備 

カスタムCRMを作成する目的を明確にする

ネットで検索すると、カスタムCRMシステムを作成するための多くの方法を見つけることができます。混乱されないように、まずソフトウェアの目標に集中することです。システムに何をさせたいのか、どのように売上を増やしたいのかを明確にする必要があります。 

企業がカスタムCRMシステムを開発する際に念頭に置いている目的をいくつかご紹介します。 

  • 顧客との関係強化:顧客固有のニーズや行動パターンをより的確に把握することで、顧客満足度とロイヤルティを向上できます。
  • 売上と収益の増加:営業プロセスを合理化し、アップセルとクロスセルの機会を特定し、より効果的に取引を成立させるために必要なツールを営業チームに提供します。
  • 拡張性と柔軟性:進化するビジネスニーズに適応し、成長に対応し、必要に応じて他のシステムと統合できるカスタムCRMシステムを開発します。
  • 作業の自動化:ビジネスニーズに応じて、データ入力やフォローアッププロンプトなどのタスクを自動化できます。
  • コンプライアンスとデータセキュリティ:カスタムCRMシステムが関連規制(GDPR、CCPAなど)に準拠していることを確認し、機密性の高い顧客情報を保護するための強固なセキュリティ対策を実施します。

カスタムCRMのタイプを選ぶ

カスタムCRMシステムの目標を確定したら、カスタムCRMのタイプを選択肢ます。目的に応じて、3つのタイプから選択することができます。 

  • 分析型CRMは、顧客データを分析し、顧客の行動、嗜好、トレンドに関する洞察を得ることに重点を置いています。 
  • コラボレーティブCRM は、顧客により良いサービスを提供するために、異なる部門間のコミュニケーションとコラボレーションを促進します。電子メール、携帯電話、ソーシャルメディアなど様々なコミュニケーションチャネルを一元化されたプラットフォームに統合します。
  • オペレーショナルCRM は、組織と顧客との日々のやり取りを自動化し、最適化することに重点を置いています。営業自動化、マーケティング自動化、サービス自動化などの顧客対応プロセスを管理し、ワークフローを合理化し、生産性を向上させ、顧客体験を高めます。

システムの機能を決定する

カスタムCRMは、タイプやビジネス要件によって異なります。しかし、カスタムCRMソフトウェアを定義する核となる機能は存在します。それらをモジュールに分け、どの機能が最適かを判断できるようにしましょう。 

カスタマー・サポート・モジュール 

カスタムCRMシステムは、カスタマーサポートエージェント間の情報交換を簡素化し、チケット処理を迅速化し、カスタマーエクスペリエンスを向上させます。 

カスタマー・サポート・モジュールの主な特徴は以下の通りです。

  • ダッシュボード:カスタマーサポートチームがリクエストを確認し、タスクを整理することができる一元化されたインターフェースがあります。 
  • ナレッジベース:FAQ、トラブルシューティングガイド、製品ドキュメントのリポジトリがあります。この機能は、顧客とサポートエージェントの両方が独立して解決策を見つけるのを助け、サポートのオーバーヘッドを削減します。
  • ケースレポート:これらのレポートでは、どれだけのリクエストを受け、その解決にどれだけの時間がかかり、顧客がどれだけ満足しているかを記録します。そこから、サポートチームがどの程度うまくいっているかを確認することができます。

マーケティング・モジュール

マーケティング用カスタムCRMは、異なるプラットフォーム間でのマーケティングキャンペーンの監視、簡素化、自動化を支援します。その機能により、マーケティングチームの時間を節約し、データに基づいた戦略を促進します。

マーケティング・モジュールのコア機能は以下の通りです。

  • 分析とレポート機能は、キャンペーンパフォーマンス、顧客エンゲージメント指標、ROIに関する洞察を提供します。これにより、マーケティング担当者はデータに基づいた意思決定を行い、長期にわたって戦略を改善することができます。
  • キャンペーン管理は、複数のチャネルにまたがるマーケティング・キャンペーンの計画、実行、分析を支援します。
  • メールマーケティングオートメーションは、顧客の行動、嗜好、ライフサイクルステージに基づいたメールキャンペーンの自動化を支援します。 
  • ソーシャルメディアの統合は、ソーシャルメディア上での活動を計画し、スケジュールを立てることで、エンゲージメントを最大化します。

販売モジュール

カスタムCRMの販売モジュールは、リードの創出から取引の成立まで、販売プロセス全体を管理するための包括的なツールキットとして機能します。 

主な特徴は以下の通りです。

  • ダッシュボードでビジネスの月次収益の情報を確認できます。
  • パイプライン管理は、カスタマイズ可能なダッシュボードとレポートを通じて、営業パイプラインを可視化し、管理します。この機能は、営業マネージャーがリソースを配分し、営業プロセスのボトルネックを特定するのに役立ちます。
  • 機会追跡は、最初のコンタクトから交渉、クロージングまで、パイプラインのさまざまな段階を通じてすべての販売機会を追跡します。
  • 販売の自動化により、リードの割り当て、フォローアップ、見積もり作成などの日常的なセールス業務を自動化します。
  • タスクで営業チームの活動を追跡できます。
  • リードは、リードの可能性を評価し、リードを販売につなげるための戦略を立てるお手伝いをします。

フェーズ2:開発

開発アプローチの選択 

必要な機能のリストができたら、次のステップはカスタムCRMの開発アプローチを選択することです。社内のチームを使ってカスタムCRMシステムを自社開発するのか、それともサードパーティ・ベンダーに開発を委託する必要がありますか。

カスタムCRMシステムを社内で構築することで、より大きなコントロールとカスタマイズが可能になります。そののチームは、カスタムCRMソリューションを独自のプロセスや要件に合わせて正確にカスタマイズすることができ、完璧に適合させることができます。また、社内でシステムを構築することで、カスタムCRMシステムがどのように機能するかをより深く理解することができます。 

ただし、このオプションは、熟練した開発者チームがある場合にのみ適当です。そうでない場合は、サードパーティ・ベンダーに依頼するが最良の選択です。外部ベンダーは、カスタムCRM開発における専門的なスキルや経験を持っていることが多く、より効率的にシステムを提供し、市場投入までの時間を短縮することができます。これは、社内にカスタムCRM開発を自社で行う能力やキャパシティのない企業にとってメリットとなります。 

カスタムCRMシステムの設計 

最終製品に進む前に、開発チームはまずカスタムCRMのプロトタイプを作成します。
最終製品に進む前に、開発チームはまずカスタムCRMのプロトタイプを作成します。

このステップでは、開発チームまたはサードパーティ・ベンダーがプロトタイプまたは最小実行可能製品(MVP)を開発し、デザインと機能要件を検証します。これにより、本格的な開発を行う前に、関係者からのフィードバックを収集し、必要な調整を行うことができます。

プロトタイプが承認されると、最終的なデザインと仕様に従ってカスタムCRMシステムの構築を開始します。 

徹底的なテスト 

徹底したテストと品質保証は、カスタムCRM開発プロセスにおいて最も重要なステップです。新システムをデプロイしたくてたまらないかもしれませんが、バグを解決する前に新システムを立ち上げることは、良いことよりも悪いことの方が多いでしょう。

新しいソフトウェアが徹底的にテストされるまで、少なくとも1週間は現在のカスタムCRMを使い続けることをお勧めします。開発チームやパートナーは、セキュリティテストや機能テストなど、いくつかのテストを実施し、問題点を特定して修正することができます。 

ソフトウェアのロールアウト

最後に、カスタムCRMを展開する時です。システムを本番環境に導入し、効果的に利用できるようにユーザーをトレーニングします。 

テクニカル・チームや開発パートナーは、新しいプラットフォームへのデータ移行から従業員向けのトレーニング・プログラムの提供まで、プロセス全体を通じて支援する必要があります。

>>> もっと見る:ソフトウェア開発モデル | メリット・デメリットを徹底的に解説 

よくある質問

カスタムCRMの構築にはいくらかかりますか?

基本的なCRMシステムの価格帯は、20,000ドルから30,000ドルの間であることが多いです。しかし、より広範なカスタマイズや機能を必要とする大企業の場合は、コストが150,000ドルを超えることがあります。具体的な要件に基づいた正確なコスト見積もりを得るために、事前に開発チームと話し合いましょう。

カスタムCRMの構築にはどれくらいの時間がかかりますか?

カスタムCRMの構築スケジュールは、プロジェクトの複雑さ、リソースの有無、 開発アプローチによって異なります。単純なカスタムCRMシステムの開発には数ヶ月かかるかもしれませんが、より複雑なシステムでは半年から1年かかるかもしれません。

カスタムCRMの作成にはどのような技術的専門知識が必要ですか?

カスタムCRMの構築には、システムのバックボーンを作成するためのJavaやPythonなどのコーディング言語や、ユーザーインターフェイスをデザインするためのHTML、CSS、JavaScriptのスキルが必要です。データベース・アーキテクチャの設計と最適化には、データベース管理のスキルも不可欠です。

まとめ

高品質なカスタムCRMシステムはビジネスのバックボーンになります。
高品質なカスタムCRMシステムはビジネスのバックボーンになります。

カスタムCRMは、ビジネスのためのオーダーメイドスーツのようなものです。小さな新興企業であれ、大企業であれ、カスタムCRMの構築方法を知ることで、効率性を高め、顧客との関係を改善し、長期的に利益を上げることができます。

最適なものを用意できるのに、なぜ既製品のソリューションで妥協するのでしょうか?それは間違いなく投資に値します。

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To Quang Duy(トー・クアン・ズイ)氏はベトナムの大手ソフトウェア開発会社であるNewwave SolutionsのCEOです。彼は卓越したテクノロジーコンサルタントとして認められています。LinkedInやTwitterで彼とつながりましょう。

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